効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

エンパイアステートビルの窓を総リフォーム

前にも紹介したことのある、ニューヨークの名物エンパイアステートビルの改修工事が順調に進んでいる。原型を維持したままで改修し、エネルギーの利用効率も大きく引き上げようというもので、ロッキーマウンテン研究所のチームの構想が取り入れられている。今日入ったメール情報によると、全部の窓ガラスの取り替えが予定より早く終了したそうだ。
このビルには6,515個の窓がある。これの96%について、既設のフレームとガラスを再利用して、効率の高い窓に作り替えている。これまではスチールのフレームに一枚(単層)ガラスが使われていた。これを古い資材を利用しながら超高効率の熱反射膜入りの複層ガラスでできたユニットに変身させたのだ。ビルの中心部にこの更新作業設備を設置して、流れ作業で新しい窓システムに作り替えてその夜にはすぐにはめ込んだのだ。しかも、テナントには殆ど迷惑をかけることなく作業が行われている。当初10ヶ月かかると予想されていたのが7ヶ月で終了した。超断熱ガラスユニット(IGU)と呼ばれるこの窓システムは、これまでの窓ガラスユニットに比べて熱効率が4倍に上がっている。更新コストは700ドルだが、同じような性能のものに新規取り替えしたら2,500ドルはするという。
エンパイアステートビルの更新計画は2009年から開始され、世界でもっとも知られた古いビルをエネルギー効率最先端のビルに衣替えしようとするものだ。この技法は他の商用ビルにも応用できるものとなるのは確かだ。窓ガラスユニットの他に、ラジエーターの断熱の再生強化、換気の制御、テナントのエネルギー使用管理、などが実施に移されていて、その内容を示す展示施設も最近作られたそうだ。