効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

バイオマスガス化

バイオマスのガス化は理屈としては成立するが、実際に運転させて成果を出すのは難しい。特に運転の容易さとコストが問題となる。
川崎重工NEDOの実証試験を高知県仁淀川町で3年間にわたって行ってきたバイオガス実証試験が終了したと発表している。この実績はどうなのだろうか。自社開発した木質バイオマスガス化発電システムとペレット製造設備を使って、木質バイオマスによる小規模分散型としては世界で初めてとなる流動層ガス化・ガスタービン発電設備を設置している。実証試験では安定して150キロワットの発電を継続し、同時に、年間約600トンのペレットを製造し、周辺の4施設に安定供給したとある。
約650℃で木質バイオマスを熱分解してガス化、タール成分を含む精製ガスをそのままガスタービン燃料として使用したという。これまでであれば除去または分解の工程が必要だったタール成分もガスタービンの燃料として利用できるシステムであるため、同規模の燃料を直接燃焼して蒸気タービンで発電する方式に比べると約3倍の高効率発電ができるとのこと。ガス化燃料の原料には林地残材の破砕物を利用する。仁淀川町は、実験終了後もバイオガス発電とペレット製造設備の運用を継続していくそうだ。
タール分を除去せずにそのままタービンに投入するという方式は斬新だと思う。これまでタールが厄介者だった。そのためにはバーナーもタービン翼の材質や設計もこれまでの常識とは異なったものとなっているだろう。それだけに運転条件も厳しいのではないか。また、流動層ガス化を仁淀川町で問題なく稼働を継続できるだろうか。小型の流動層ガス化炉だから運転条件は厳しいのではないだろうか。このような課題が解決されていれば林業に一つの活性化要素を加えることになるだろう。
7月13日のプレス発表から写真を拝借した。