効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

メキシコ湾の原油流出が止まった

メキシコ湾で続いていた原油流出が止まったと報じられている。BPが当初試みて失敗した鉄の箱で上から押さえ付ける方法と同じだが、箱の規模を大きくして何とか成功したようだ。まだ様子を見なければならないそうだが、ともかく良かった。この油井はいずれ根元からセメントで閉止されることになっている。原油があることは分かっているのだが、再度採掘されることはないだろう。
BPにとってはこれからが経営としては大きな重荷がかかる。英国がBPの危機は自国の危機と同じというほどの姿勢だから、BPという名前がなくなることはないだろうが、資産の売却などこれから現実のものとなる。沿岸地域の住民や企業からの損害賠償請求訴訟も膨大な数と額になって、便乗組も現れるなどもあって収束には10年ほどかかるかもしれない。
また、この事故で深海油田の開発は少なくとも米国では当分許可されないだろうから、今後の石油供給がどうなるかの予測が難しくなる。しかし、米国に限っては、天然ガスの供給が増えているので、エネルギー危機にはならないはず。かえって日本が影響を受けるかもしれない。さらに中東諸国が太陽光発電風力発電に乗り出し、資産としての石油を温存させようという方向に向かっている。また、石油しかなかった国が、新たな産業を興すことによって経済を支えることができるようになって石油輸出を削減する可能性もある。これも日本や韓国といった輸入依存国が受ける影響は大きいだろう。そこへ中国が割り込んで石油を大量輸入するようになるのもほぼ確実。ここ数年の石油市場がどうなるか、ますます分かりにくくなってきた。