効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

燃料電池の時代は

今日は東京。朝からずっと船堀ホールで開催された燃料電池フォーラムに参加して、最新の燃料電池に関するプレゼンテーションを聞いていた。フォーラムのセッションは2つが同時並行で固体高分子型(PEFC)と固体酸化物型(SOFC)に区分されていた。自宅にいま動いているのが固体酸化物型の燃料電池だし、この方に将来性があると思っているので、ずっとSOFCのレポートを聞いていた。いま日本では家庭用の電力消費を賄う700ワット規模の小さなものの開発が主流になっているが、これから業務用規模、変電所規模のものになっていくだろう。
関西電力三菱マテリアルが開発している丸い板の形状をしたセルの開発状況をまず聞いたが、これまでの直径120ミリから170ミリに拡大している。出力増を狙ったものだ。セル一枚の出力が23ワットから100ワットほどに上昇している。その狙いは分からないではないが、120ミリ時代には予想しなかった問題が出てくるような気がする。昔、リン酸型を開発していた富士電機の専門家から、燃料電池は電気化学反応で発電するので、大きさを変えると新規開発と同じになると考えた方が良いと聞いたのを思い出したからだ。関電は変電所レベル以上の大規模なものを狙っているはずだが、まだ実用化には時間がかかるだろう。
家庭用燃料電池については、固体高分子型(PEFC)の700〜1000ワット規模のエネファームがガス会社や石油会社の手で販売されている。しかし、問題は値段がこれからもなかなか下がらないと予想されていることだ。それに対し、SOFCは、今日の報告にもあったように、部品点数がPEFCの半分だから、中心部の発電部分の性能さえ安定し、耐久性が証明されれば商品化は早いと言われている。今日の報告はセル部分を京セラが開発したもののデータが出されたが、ここ3年行われた実証試験で、毎年発電部分の発電効率は上昇しているし、5年に相当する4万時間稼働はほぼクリアーできそうだ。これが10万時間になれば、発電効率は火力発電の平均より高いから、分散型発電として極めて優れたものとなる。三菱重工発電所規模のものを開発しているが、今回その発表はなかった。自宅のSOFCが順調に2年稼働してくれないかなと期待している。