効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

メキシコ湾の原油流出

メキシコ湾の原油掘削井戸から原油の流出が続いている。 米国からの情報によると、BPは流出する原油に大きな鉄で作ったカップをかぶせて、その上から原油をくみ出すことで海面への流出拡大を抑えようとした。100トンの重さのある大きな鉄の箱を作って引っ張っていき、海面から1600メートル下にある穴の上からかぶせた。成功したかに見えたが、下からの油の力が箱を押しのけてしまい、失敗したようだ。深海にある小さな氷の塊が作業の障害になっているという。この氷はどうもメタンハイドレートのようだ。いまこれよりも大きな箱を建設中であると報じられ、ここ数日の間にキャップをかぶせる工事に再度取り組むようだ。この大きな鉄箱で流出を抑えられるということに成功するとは誰も言えない状況にあるようだ。もし二回目のトライが失敗したら、ここしばらく流出は続くことになる。メキシコ湾が完全に汚染しされてしまう可能性もある。いずれ流出は止められるではあろうが、その間に漏れた原油の量がどのくらいになるか誰も分からないだろう。流出量は795,000リットル/日だという。
これから海底油田の開発にブレーキがかかることは確実だ。既存の油田に対しても厳しい見方が生まれるに違いない。海底天然ガス田についても汚染の度合いは異なるとはいえ、同じようなことが起きないとは言えない。石油と天然ガスの開発が減速せざるを得ないとすれば、その不足分を補うのは何だろうか。石炭か自然エネルギー、あるいは原子力になるのだろうか。そこには時間との競争も出てくる。経済発展の足を引っ張らないようにしながら、環境汚染も防ぐとすれば、自然エネルギーの開発に力を入れなくてならないだろう。出力変動が大きい自然エネルギーを受け入れても絶えられる電力系統もさらに強化しなくてはならない。大変な事態にならなければ良いのだが。