上海万博のニュースを見ていたら、パビリオンを結ぶバスだろう、電気自動車だと紹介されていた。バスが停車すると、屋根からパンタグラフが上げられて、横から伸びている給電線にタッチして充電していた。非接触充電ではなかったが、これでも十分だろうと思う。非接触にするとコストが大幅に上がるはずだからだ。路面電車は電線から電気を受けて走っている。昔大都会にも路面電車が走っていたが、自動車が走るのに障害になるとしてほとんどが取り外された。その復活の気運もあるが、新たに線路を敷くのは大変だから、トロリーバスの変形の、上海バス方式でも良いのではないか。要所要所のバス停で止まる間に充電できれば良いのだから。
奈良では中小企業が力を集めて小型の電気自動車を作って、意匠に工夫を凝らしていて楽しいものができている。これを見ると、電気自動車は誰でも作れるということだ。これから電池の性能が上がれば、電気自動車を作るキットなどが販売されるのではないだろうか。公道を走るのには当然認証を受けなくてはならないが、安全に関係する部分はキットとして提供されれば、良いはずだ。多分ハンドル走行制御部分だろう。残りは電池とメーターだけだから、外角部分を含めていろいろ工夫を入れ込む余地はあるだろう。自分が若ければ情熱を燃やすかもしれない。やってみたい気持ちだけはいまでもある。
そこにどうしても残るのがどのように充電するかだ。充電を行うステップについてまだ規格ができていない。世界のメーカーが規格設定にしのぎを削っている。前にも書いたが、リチウムイオン電池でも電池メーカーによって充電特性は異なるし、自動車メーカーによっても充放電の特性は違う。電池にはまだ開発余地が大きいから、今の時点で標準規格を細かいところまで決めることが良いのかどうか、という感じもする。最低の基準だけを作って、しばらくは競争市場に任せた方が長い目で見て良い結果が出てくるのではないか。米国の研究所がリチウムを使わない固体電解質を使った高性能電池を開発したと発表しているから、これからの開発動向をよく見ておかないといけないだろう。