効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

洋上風車の実証試験

環境省が2012年度末頃に、風車を海に浮かべて発電した電気を、海底ケーブルで陸上に送る「浮体式」洋上風力発電の実証試験を始めるようだ。日本の沿岸部の海は、遠浅の距離が短いために、基礎を海底に作ってタービンを建てる着床式の建設ができる海域が限られていると言われている。浮体式は深い海域にも設置できるので、着床式に比べて導入可能な場所が5倍以上に増える。風力発電は騒音などが問題となって地上設置が難しくなっていると言われるが、どこまで本当かは分からない。騒音は予め分かっている問題だから、今まで野放図な設置を許してきたことが問題なのだろう。
発電能力は標準的な出力2000キロワット規模を想定している。全長は100メートル以上で、風車を海上に浮かせてチェーンで海底に固定する。発電した電気は海底ケーブルで陸の変電所に送るのだが、その送電方式は課題となるだろう。また、当然そこは漁場になるから、漁業権の問題も出ると予想される。しかし、賠償方式ではなく、漁業権者が長く風力発電によって経済的メリットがある施策を考え出せたら、解決できない話しではなかろう。この実証試験に環境省は20億円を拠出する。いままでこのような実証試験は経済産業省が行うものだと思っていたのだが、環境省だということに奇妙な感じがする。これに経済産業省は全く関与していないのだろうか。浮体式の本体建設や性能を評価する企業・大学を今月末にも募集するということだが、浮体式の構想の発表を以前聞いたことがあるので、大体の目安はたっているはず。三角形のブイの上に立てるようになっていた。風が強く吹いても転倒しないような構造になっていたと記憶する。この技術は早く開発すると海外にも売れるものになるだろう。