効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

世界の原発

昨日に続いてまた原発のことを書くことにした。18日の日経新聞新興国原発の建設が加速していると報じている。それによると、建設中の施設だけで日本の既存原発(54基、出力合計4682万キロワット)に匹敵する規模に拡大しているという。この傾向がさらに加速されるのは確かだろう。国際原子力機関IAEA)の3月時点のデータによると、世界で現在建設中の原発は56基で、合計出力が5185万キロワットに達する。その内中国が21基、2092万キロワットを占める。このほか、ロシアで9基、689万キロワット、韓国で6基、652万キロワット、インドで5基、270万キロワット。昨年末から今年にかけて、アラブ首長国連邦ベトナムも発注を決め、原発建設はすそ野が広がっている。今日の記事では、ベトナム原発建設一期工事を受注したロシアが日本の協力を求める意向を示しているようだ。プラント自体の設計・建設技術では日本の優位が認められたのかもしれない。
経済発展に伴って急増する電力需要に対応するために、そして温暖化ガスの排出を抑えるために原発依存はもっと増えるだろう。それが拡大できるのは、中国などの政治体制のお陰でもあると思う。国民に反対がないはずがないが、それを表面化させない独裁体制があるからだ。しかし、これだけ原発が増えると、昨日書いた廃棄物処理体制はどのように構築できるのだろうか。そこまでのことをまだ考えては居ないだろうが、いずれ問題は出てくる。その時に政治力で廃棄物プラントの建設と地下貯蔵が強行されたときに、後世に取り返しの付かない汚染世界を残してしまうのではないかと心配だ。もちろん、放射性廃棄物の安全な処理法が実現する可能性もある。しかし、その安全性をどこまで誰が確認できるのだろうか。人類破滅に止まらず、地球上に生物がいなくなる可能性の方が高いのではないだろうか。もし広範囲の水が放射性物質に汚染されたらどうなるだろうか。何千年もの間、汚染は起きないと誰が保証できるだろうか。