効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

古い原発の稼働延長

日本原子力発電敦賀原発が14日に国内の原発で初めて運転開始から40年を超えた。出力35万7千キロワット。11月には関西電力・美浜1号機も40年になる。新規立地が進んでいればこの延長はなかったかもしれないが、厳しい新規建設の現状から、「高齢原発」はこれから続くことになる。原発の寿命は当初30〜40年とされていた。敦賀原発1号機は今年の運転完了を見込んでいたが、後継機の建設が遅れたために、昨年9月に2016年までの寿命延長を決めている。現在稼働中の原発は54基。しかし、平均稼働率は60%台と低迷。しかも18基が運転30年を超えている。
原発は運転中にCO2を排出しないために、政府がまとめた地球温暖化対策基本法案にも推進が盛り込まれた。その推進が新規建設に結びつくかどうかは分からない。だから高齢原発の稼働期間延長を余儀なくされたのだ。高齢原発の主要機器の大半が新品に交換済みで安全性に問題はないとされている。しかし、交換が一回もされていない部位もある。高レベルの放射線にさらされ続けている炉心部分を覆う圧力容器は交換されていないし、劣化が進んでいると考えるのが自然だろう。放射線による劣化は分からないことが多く、意外なことが起こる可能性もある。それが致命的なものとなるかどうかは分からないが、延命が決まったいまでは、大きなトラブルが起きないことを祈るしかない。耐震性についても古い原発の基準は新しいものに比べてかなり甘かったはず。東海、南海地震の可能性が高まっているし、日本海側に大型地震が起こらないとは断言できない。放射能漏れにつながるような地震が起きないことを祈るしかないし、とんでもない人為的ミスが起きないように願いたい。