効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

電事連の広告を見て

今日の新聞に電気事業連合会が広告を出している。一ページ全体を使ったもので、そのトップに「ふかーく ふかーく 物語」という標題がつけられている。原子力発電からの高レベル放射性廃棄物の地下深くへ埋設処理することの安全性を強調したものだ。そのコピーをここに引き写すことにする。内容にそれほどバイアスはないように思うが、安全性の訴えに違和感がある。
原子力発電で使い終えた燃料には、リサイクルしても「高レベル放射性廃棄物」がどうしても残ります。この「高レベル放射性廃棄物」は放射能レベルが高く、しかもその寿命がながいため、厳重な管理のもと適切に処分する必要があります。その方法として、人工バリアと天然バリアを組み合わせた地層処分の研究が進められています。人工バリアとは、「高レベル放射性廃棄物」を長期間変質しないガラス素材で固めた「ガラス固化体」それを入れた金属製の容器「オーバーパック」、その周囲を粘土で覆った「緩衝材」から構成。天然バリアとは、それを地震など自然災害の影響をほとんど受けない地下300メートル以上の固い岩盤層に閉じこめること。これら二つのバリアを組み合わせた「多重バリアシステム」の採用で、「高レベル放射性廃棄物」を私たちの生活環境から半永久的に遠ざけることができるのです。』  これに、『えっ、地下300メートルも穴を掘っちゃうんだ』 というキャプションが入っていて、『東京タワーの高さと同じぐらいの深さなら安心だね』、とある
300メートルが本当に安全な深さなのだろうか。地球の表皮にも達していない深さだろう。東京タワーの高さと同じ深さまで掘るから安全というのはどういう意味合いがあるのだろう。親しみを持たすために使われた東京タワーは迷惑しているはず。「高レベル放射性廃棄物」の放射能半減期は万年単位だから、そこまで人間が管理できるはずもない。さらに、300メートルの深さの地層のことがどれだけ科学的知識として確認されているのだろう。特に地震の多発する日本列島にあっては、地震の影響がほとんどないと誰が責任をもって断言できるのだろう。安全ムードだけで埋設処理地を受け入れさせようとしているのだが、何かが間違っている。