効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

有機ELによる照明

英国の新聞記事に有機EL(Electro Luminescence)照明が普及すれば、家庭でも照明の概念が変わるはずだというものがあった。白熱電球から蛍光灯に変わり、これからLEDによる照明に変わろうとしている。ところが、この変化は伝統的な照明である点光源から線光源に変わっただけで、ほぼ一カ所から光が出てくるという基本的な形に大きな変化はなかった。しかし、有機ELは壁面全体が光るというイメージの面光源となる。そうなると、天井全体が明るく光るというのが通常になり、いわば光源を見せないように工夫した間接照明のような雰囲気になるだろう。有機ELはLEDよりも効率がよくなる可能性もありそうだ。現時点では製造コストは安くできそうだが寿命に課題があって、材料が空気中の酸素で破壊されるのを完全に防ぐことができないために、LEDに対抗できないそうだ。しかし、長寿命化の研究はどんどん進んでいるようだから、案外早く商品化されるかもしれない。そうなると、これは数ボルトの直流で点灯するし、光量を調節することも簡単にできる。太陽光発電や蓄電池からの電力は直流だから、LEDと同じように、直接接続することも可能となる。面で光り、しかも太陽光とよく似た光を出すことができるので、配置を工夫すれば夜にも太陽が当たっているような部屋の雰囲気を作ることもできる。あるいは、夕焼けのような照明の下で食事をすることも当たり前になるかも知れない。導入の初期にはおそらく常時点灯している誘導表示のようなものから使われ始めるだろうが、材料を平面に印刷することで製造できるし、基板は柔軟なものでも良いから、思いもよらない照明方式が工夫されるかも知れない。柱が光る、階段が光るなど、住宅デザイナーが創造心をくすぐられる製品となるに違いない。これからどのような製品が出てくるか楽しみだ。