効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

中国の産業政治

ついこの間、中国は海外の技術を導入して自家薬籠にし、それを海外に輸出するようになるだろうと書いた。それが具体的な形で次のような記事となって出ている。
【香港時事】香港紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストは6日、中国の大手鉄道車両メーカー、中国北方機車車両工業(CNR)の傘下企業がマレーシアにリニアモーターカーを売り込む交渉を進めていると報じた。実現すれば、中国がリニアを輸出する初のケースとなる。リニア輸出を目指しているのは中国北車唐山軌道客車(河北省唐山市)。同社幹部がマレーシアの複数の鉄道プロジェクトについて交渉を行っていることを確認した。契約が成立すれば、数千億円規模になるとみられる。
中国国内では確か上海にドイツのジーメンスの技術でリニアモーターの鉄道が走っているはずだ。それも営業開始してからそれほど時間がたっているわけではない。その技術をほとんどそのままマレーシアに持って行こうとしている。これには技術協定などが絡んでいるだろうが、ドイツの技術をかなり盗用した形になる可能性が高い。中国は自国技術で完成させたと言うに違いないが、特許の問題も国家的に無視すれば、いまの中国の政治位置からすると、そのまま通ってしまうだろう。マレーシアとすれば、中国との関係を考えれば少なくとも表面的には歓迎するのは確実だ。このプロジェクトに見合った経済的、政治的メリットが出るに違いない。鉄道建設は最初に手がけたところが強い。これで日本の鉄道技術がマレーシアに入るのは部品単位は別にして、一貫したプロジェクトとしては極めて難しくなる。同じことが他の大型プロジェクトにも続出するだろう。少なくとも中国が国を接しているところには中国が非常に強くなる。何しろ産業と政治が一体化しているのだから。グリーン技術も中国に押さえ込まれるかも知れない。