効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

パナソニックと家庭用蓄電池

パナソニックの大坪社長が読売新聞のインタビューに対して、ここ1〜2年の内に家庭で使えるリチウムイオン蓄電池を販売すると述べている。パナソニックはサンヨー電気を買収して、日立製作所に次ぐ規模のエレクトロニクスメーカーになったが、両社とも優れた蓄電池技術を持っている。その相乗効果なのだろう、普通の家庭で1週間は使える量の電気を貯めることができる蓄電池を開発しているようだ。そして、その蓄電池の状況を家庭内のテレビでチェックできるシステムも開発中とのこと。パナソニック燃料電池を商品としてガス会社や石油会社に販売しているが、自社傘下のハウスメーカーもあるから、直接これを販売するチャネルも構築するだろう。サンヨーは太陽電池の大手だから、この両方からの電力を蓄電できればいろいろな応用ができることは確かだ。プラグインハイブリッド自動車や電気自動車の蓄電池の普及には自動車という媒体がどうしても必要だが、パナソニックの場合には、蓄電池自体の設置利用という魅力そのものを商品として販売することになるから、価格がどれくらいか分からないとはいえ普及は意外に早く進むかもしれない。
これに対して電力会社やガス会社はどのような対応をするだろうか。電力会社は当然オール電化推進の一環としてこれを利用するだろう。しかし、これからの電力を買い取るかといえば、多分そのような方向には消極的だろう。一方ガス会社は、燃料電池太陽光発電を組み合わせたダブル発電にこの蓄電池を加えると、電力会社の電気を使わない住宅というアイデアを売り込むだろう。燃料電池太陽光発電だけでは、燃料電池が故障したときにどうしても電力会社の系統にバックアップしてもらわなければならないのだが、1週間電力を供給できる容量があるとすれば、故障に対しても時間的な余裕が生まれることになる。おもしろいビジネスモデルが創られるかもしれない。エネルギーの利用形態が大きく変わるきっかけになるだろう。