効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

COP15の成果は

COP15が終了した。途上国が拒否権を持つという意味をよく分からされた会議だった。国連総会と同じく参加者全員の賛同がなければ議案は成立しないからだ。中国はのらりくらりだが、一応拘束力はないとしても目標値を出した。米国はいま上院で審議中の機構関連法案への影響を恐れて踏み込んだ議論ができなかった。連日の徹夜でできあがったものを、日本の新聞は「合意」と表現していたが、原文は「Take note」であって、極端に言えば存在を無視しないという位のものだと思う。こういう結論になったについては南米の数カ国が最後まで反対したからだそうだ。途上国については拘束力のある目標を出すこと自体経済発展をさまたげることになるから絶対に容認しないのは当然だろう。
中国と米国は、京都議定書の拘束を受けないというてんで同じ穴の狢だといえる。だからこそここ数ヶ月、エネルギー関係の政府高官が頻繁に行き来して、両国が連携してエネルギー効率化を進めようとしているし、中国は自国の風力発電事業が米国進出するのを支援している。米国はエネルギー関連技術を持つ自国企業が円滑に中国進出できるようにオバマ大統領が先頭に立って話し合いを継続している。それに比べて日本の対応には戦略がないような気がする。世界に冠たる省エネ技術を持っているというのは簡単だが、それを実際に海外で使ってもらえるよう政府自ら効果的な外交を行っているとは思えないからだ。鳩山さんが宣言した90年比25%削減が、日本の首を絞める縄にならないように願っている。
今日は寒さが少し緩んだのを利用して、ワイフと一緒に唐招提寺へお参りに行き、名物のお味噌を買ってきた。金堂が改修されて間もないが、心の安まる落ち着いた建物と庭のたたずまいを満喫。