効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

東電が風力からの電力を北電から買う

東京電力北海道電力から一定量の電力の買い取りをすることによって、北海道での風力発電の建設拡大に協力するということだ。電力業界の新しい動きだと考えている。2014年度をメドとしているということだが、どうしてそんなに時間がかかるのだろうか。北海道で風力の導入量の限界が36万キロワットとされているのを10万〜20万キロワット上積みするという。北海道は風力発電に適した風が吹くところが多い。しかし、報道にあるように、北電の電力網を流れる電気の量は東電の約9分の一。しかも原子力発電の比率が高いために需要が落ちる夜間に風が多く吹くと全体の発電を絞ることが難しいために、電力が管内では消費しきれなくなる。これを東電が一部でも購入してくれれば需給調整がやりやすくなることは確かだ。しかし、北海道と青森の間の海底をつなぐ直流送電線の容量が60万キロワットしかないから、これを増強しない限りどんどん東電が買うというわけにもいかない。
東電は同様の協力を東北電力とも進めるとしている。この場合には、東北電力から東電に送電する系統容量は確か500万キロワットほどあるから、調整機能はかなり大きい。東北電力管内にも風力発電適地は多いとされるが、東北電力単独で風力発電の変動に十分対応するのは簡単ではないということも分かる。変動対応のために余剰分を大きな需要がある東京電力に買ってもらえれば、風力発電の受入量を大きく増やすことができるだろう。いまの時点でこのような動きが出てきたのはなぜだろうか。もっと早くこのような相互協力は可能であったはずだ。北海道電力から東京電力に電気を送るには、東北電力の送電網を使わなければならない。風力発電事業者から北電が電力を買い、そのうちで多すぎる分を東北電力経由の託送で東電に売るという形になる。東西で周波数が違うためにそれを関西電力にというわけに行かないのが日本の課題だ。しかし、関西電力四国電力から風力発電からの電力を買うということもできるはずだ。ともあれ、50ヘルツの地域全体がどのような系統管理をするのか知りたいものだ。