効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

大阪府と電気自動車用急速充電設備

今朝の日経新聞を見て驚いた。大阪府が電気自動車(EV)の充電用に太陽光発電システムを併設した急速充電設備を設置する企業へ、充電料を5年間無料にして設備を一般に開放することなどを条件に、設置費用の全額(最大855万円)を補助するという。府内をEVで安定走行するための充電ネットワークを構築するのが狙いだとはいえ、思い切ったことをするものだ。この設備は一般に利用されるとはいっても、設置する企業の利用の仕方によっては大きすぎるメリットを与える結果にならないかと心配する。そこまでしないといけないのだろうか。
来年1月8日まで申請を受け付けて、利用しやすさなど適性配置を考慮して10カ所を選定するということだが、申請までの日数が短いということからみると、ある程度下調べと打診が行われているのではないかと勘ぐりたくもなる。急速充電器と太陽光パネルに留まらず、周辺機器、工事代のほか、携帯電話からの予約照会を受け付ける通信機能や、設備までの経路を示す案内板なども補助対象だというから豪勢なものだ。週5日、午前9時から午後5時まで一般開放される。太陽が照っている時間帯に開放するということだろうか。しかしなぜ週5日なのだろうか。約30分かけて80%充電するのに必要な1台あたり約300円の電気代は設置者が負担する。残りの2日には閉鎖するのだろうか。もし設置者が多数のEVを持っていれば、一般が使えなくなる可能性もある。設置者のEVは開放時間以外で使うという制限があるのだろうか。
府内の急速充電設備は現在3基しかないそうだから、予算を十分につけて促進し、充電料をただにしてEVの普及を後押しするつもりであるのは分からないではないが、少しやりすぎではないかと思う。EVの安定走行のためには府内に少なくとも20基必要と計算されているようで、国の事業を活用して来年度半ばまでにもう10基設置するという。これも同じ方式だろうか。設置するために必要なスペースを設置事業者が提供することでコストを負担するということになるのは確かだが、いまEVを購入するのはほとんど企業なり行政だから、充電料金くらい負担させるべきだという感じがしてならない。