効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

中国の風力発電メーカー動向

中国で風力発電の設置が猛烈な勢いで伸びていることは前に書いたことがある。それが繋がる送電系統の容量が十分ではないために、折角発電した電力が送れないケースも頻発しているという話もある。しかし、中国政府は他の投資を削ってでも風力発電設備には惜しみなく資金を振り向けているようだ。今年世界で設置される容量の3分の一が中国で建設され、2009年中に中国の風力発電総容量が米国のそれを追い抜くことは確実だと見られている。その結果、有力な風力発電機メーカーが育ち、国内だけでなく国外に設備を販売設置する事業者が幾つか出現している。英文の記事だから漢字でどう書くのか分からないが、Goldwind Science & Technology社は、米国ミネソタ州のトウモロコシ農場に20階建てのビルほどの高さを持つ風力発電機3基を同社として始めて設置するのに成功した。これを足がかりにして同社は欧米他の国に販売を拡大しようと計画している。世界最大のメーカーであるデンマークのベスタス社の中国担当責任者も中国が今後風力市場の開発を牛耳る可能性があると見ている。技術的にはベスタスやGEに劣っていることは明らかだ。しかし、価格が50%も安いことが大きな武器になっている。おそらくここ2年で輸出の伸びは非常に大きくなるだろうと分析する関係者もいる。
中国の風力発電機メーカーは、CDM(Clean Development Mechanism)の恩恵を受けている。工業先進国が途上国の地球温暖化ガス排出抑制に投資して、それを自国の削減量とみなすという京都メカニズムが事業の拡大を支えているのだ。そのため、輸出をしなくてもGoldwindとそのライバルであるSinovel Wind社、Dongfang Electric 社は既に世界のトップメーカーに育っているという。2008年には世界の新規風力発電8基の内1基をこの三社が販売しているという数字も出されている。最初は安かろう悪かろうであるかもしれないが、実績を重ねていく内に確固たる足場を固めるようになるだろう。日本はこの市場で持つシェアーが相対的にどんどん小さくなるかもしれない。