効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

関西電力のメガソーラープロジェクト

関西電力が建設する大規模太陽光発電施設(メガソーラー)、「堺第7―3区太陽光発電所」(1万キロワット)の起工式が24日、堺市臨海部の現地で行われた。同発電所は、2010年11月にまず1区画(3千キロワット)を運開し、11年10月までに残りの2、3区画(合計7千キロワット)を運開する予定。堺市臨海部の約20ヘクタールに約7万枚の太陽光パネルを敷き詰める。運開により年間約4千トンの二酸化炭素(CO2)削減効果があると報じられている。これまで、2011年10月にすべてを運開する予定だったが、低炭素社会の早期実現と、出力変動など系統に連系するうえで発生する課題の検証をいち早く実施する狙いで、一部を10年11月に運開することとしたということだ。
太陽光発電が分散型発電の特性をよく発揮していることが分かる。いままで準備が進められてきたとはいえ、着工して1年で3千キロワットを稼働させることができるし、7千キロワット全体でも2年で完成するという柔軟性と設置に要する時間の短かさが良く示されているからだ。そのつもりになれば全体を1年で稼働させることもできるだろう。各ユニットは同じ設計のモジュールだから、それを結線してパワーコンディショナーで系統に繋ぐ設備があれば稼働できる。パワーコンディショナーもメーカーのところで組み上げて持ち込んで設置すれば良いのだから、大型発電所のような現場組立に時間がかかることはない。途中で設置規模を変更することも難しい話ではない。このような柔軟性は従来型の大型発電所では望めないことだ。これから電力需要は横ばいになると予想されている。したがった、100万キロワットというような大型の発電所を新設すれば、かなり長期に余裕ができてしまうことになり、投資の回収にも時間がかかることになる。これからは規模の経済ではなく1〜数千キロワット単位で設置するほうが総合コストが低くなるという分散の経済を追求するようになるだろう。太陽光発電は現時点でのkWあたりコストは高いかもしれないが、これから急速に低くなるだろう。しかも需要端に近く設置されるから送電設備も殆ど要らないし、送電ロスもない。また燃料が要らないから原油価格の変動の影響をまったく受けない電源となる。これは自然エネルギーによる発電の特質だ。