効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

首長のリーダシップ

ホテルで朝食をとるほど高くつくものはない。少し早めに起きてホテルの近くをうろうろ。スターバックスがあったのでコーヒーとパンケーキを注文。できたてで熱いホットケーキにバターと蜜をかける久しぶりの味。ゆっくり味わって帰ってから午前の予定である福岡県庁訪問を準備。ロビーで英国からの相棒と合流したら彼も同じ店で朝食をとったことが分かった。明日は飛行機の移動となって朝が早いのでどうしようか。
福岡県庁の商工部新産業・技術振興課水素班を訪問。ここがここ数年展開している水素社会実現に向けたプロジェクトの詳細を教えて貰った。これまでの理解では団地に150台の家庭用固体高分子燃料電池を設置して実証テストをしているということしか知らなかった、だが、それだけではなく、県内に新日鐵の製鉄プラントから副生水素があり、日産、トヨタの工場があり、水素関連の研究に成果を出している九州大学があるという地の利を生かそうという麻生県知事のアイデアで、福岡水素戦略と名付けられたプロジェクト(Hy-Life Project)が2004年から展開しているということを知った。産官学の連携がうまく展開しているようだ。
北九州市の水素充填ステーションと福岡市にある九州大学の水素充填ステーションを高圧パイプラインで結ぶ計画も今年建設が終わって実稼働に入っている。九州大学では再生可能エネルギーから水素を作っているようだ。純水素を高圧で送るパイプが公道に設置されているとは知らなかった。製鉄所から北九州市、福岡市への高圧パイプライン10キロメートルもすでに完成している。当面燃料電池自動車の燃料に水素を供給することになるが、今年からマンションや戸建て住宅に水素を直接供給する計画の実施に入るということだ。これからの課題は、水素は危険だという一般的認識を覆すだけの実証データを積み重ねることだろう。
このような先進的取り組みが実現したのは、麻生県知事の強いリーダシップがあったからであることは確かだ。政府からの補助があればこそ成立しているプロジェクトだが、首長の働きかけがなければ補助も得られなかっただろう。県庁の担当の方も、知事の支援があるからこそこれだけの成果が出せたと漏らしておられたのもよく分かる。ここでの実証データによって、全国の製鉄所近辺で同じ水素利用が実用化すれば、その実績は世界から注目されるだろう。