効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

スーパーマーケットとバイオガス

昨日の続きになるが、バイオガスシステム研究会での雑談的な話に、大型スーパーマーケットから出る生ゴミをメタン発酵させてガスエンジンで発電し、発酵プロセスから出る消化液を肥料に使うとすると、建物の屋上の面積が千平米ほどあれば、そこに消化液肥料を使う植物工場を造ると、うまく資源の循環ができて、しかも経済性も出る可能性があるというものがあった。どこのスーパーマーケットも常時出てくる廃棄食品や野菜の処理にメタン発酵を考えるが、必ず残渣として消化液が出てくるのを農家に供給して使って貰うところで壁に突き当たる。これを汚水として処理したのでは、本来栄養価の高い上質の肥料を捨ててしまうことになる。
東京のニューオオタニホテルは、ホテル全体で出る生ゴミ全てを使って堆肥を造り、それを契約農家に供給して使って貰い、そこで栽培される野菜などをホテルの食材に使っている。確かガス化はしていなかったと記憶しているが、ガス化も取り入れることは可能だろう。ここで重要な課題は、できた堆肥を確実に肥料として使い切って貰えるシステムを作ることだ。以前ニューオータニで話を聞いたときには、農家との契約関係が実際の食材の流通とバランスできるようにして、農家が乗り気になってくれて始めてこの堆肥化システム実用化に踏み切ることができたということだった。
ガス化についても、ガス化の技術や発電システムは、単独では成立するが、その他の残渣をどのように有価物として流通させるかが解決されなくては、実用化することができない。消化液を肥料に使うとすれば、それを輸送して遠距離までもっていって散布するとすれば、そのコストが大きくなってしまう。受け入れる農家も見つけなくてはならない
もし大型化が進むスーパーマーケットで、最近見られるような太陽光発電設置やLED照明の採用などに加えて、屋上に生ゴミ処理システムと水耕栽培野菜工場を設置するデザインすれば、環境貢献をアピールすることにもなる。ここで生産される野菜は出所のはっきりしたものだから、売り方を工夫すれば高級品として売れるかもしれない。このようなシステム一式をリースする事業が成り立たないだろうか。太陽光発電のようにシンプルではないが、民主党政権再生可能エネルギーの普及支援を本格化させるとすれば、このような生ゴミ処理をするスーパーマーケットも現実的に考えることができると思う。