効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

空調設備の高効率化

ホテル、病院、規模の大きいオフィスビルなどの空調システムについて最近書いたが、たまたま今日の電気新聞のメール情報で、横河電機が、ビルや工場など、大規模施設の空調設備に適用できる「送水ポンプ省エネ制御システム」のラインアップを強化すると知った。これまでカバーできなかった1次ポンプ、冷却水ポンプの送水電力を最大7割削減できる「エコノパイロットHSP」を追加、10月2日から販売を開始する。当面は国内を中心に営業を進め、初年度は約2億円の売り上げを目指すとのこと。記事内容が分かりやすいのでそのまま引用すると
大規模施設の空調設備では、1カ所の熱源で冷温水を生成・送水するセントラル方式が主流。一方、同方式は冷温水発生器と屋外冷却塔を結ぶ冷却系、冷温水発生器と熱交換器を結ぶ1次系、熱交換器と各フロアの空調設備を結ぶ2次系と、3つの循環系統で構成されている。同社は02年度に2次ポンプ制御用の「エコノパイロット」を発売、国内で約200セットを納入した実績を持つ。10月に発売する「エコノパイロットHSP」は、これまでカバーできなかった1次ポンプと冷却水ポンプの制御に対応できる。
空調システムが持つ全ての冷温水循環系の流量制御を適切に行うことによって、エネルギー損失を最小にしようとするものだ。負荷側が要求する流量に応じ、最低限の送水圧力を目標値としてポンプ回転数をきめ細かく制御する従来方式を踏襲しつつ、システムの基幹となる冷温水発生器を保護するため、より高度な制御と安全設計を採用したと説明されているのだが、その成果として、病院への設置事例では、1次・冷却水ポンプの電力を6割削減できる効果を確認している。この6割という数字が常に出るかどうかは保証の限りではないが、これが3割であったとしても素晴らしいものだ。そして、制御盤、インバーター盤、工事を含む価格は950万円からだというから、2年くらいで投資を回収できるかもしれない。横川電機の宣伝になってしまうが、これに加えて循環水の抵抗を下げるような工夫も含めて、広く普及してほしいと思う。設備設置の時には性能を気にするが、その後は動いていれば問題ないとしている大型空調設備が多いだけに、このような実用的で得になるのが理解できるシステムに期待している。ロッキーマウンテン研究所のエイモリー・ロビンスに言わせると、日本の古いビルはエネルギー消費の点できわめて非効率な運用をしているそうだから。