報道によると、『九州電力は今後20年間で、通信機能付き検針メーターをエリア内の低圧顧客全戸に配備する方針を明らかにした。「スマートグリッド」構築へ向けた施策の一環。今年度は実証試験として4万戸へ設置する計画で、11月にも作業を開始する。来年度以降は既設メーターの検定期間満了などのタイミングに合わせて「年数十万個」のペースで取り換える。20年間で同社低圧顧客800万戸への配備を完了する見込み。今年度は人口密集度の高い都市部の4万戸に導入する。このうち1万戸では同社事業所から遠隔検針できるシステムの実用化へ向けた実証実験を行う。また、3万戸では検針員が携帯端末を用いて、現地無線検針を実施する。』
電気の使用量は毎月検針員が実際の数字を見て、携帯している端末に記入している。これをまず遠隔検針できるように無線で結べるようにするのが1万戸。そして、メーターの近くへ行くと検針員が持つ携帯端末が無線を使って数字を取り込むのが3万戸ということだろう。欧米、そして中国なども導入しようとしているスマートメーターは、毎月の検針だけでなく、15分間隔、あるいはリアルタイムでメーターを流れる電力の情報を把握できるようにする計画だ。そして、このようなメーターを電力系統と結んで再生可能エネルギーを可能な限り導入しようとするのがスマートグリッドだから、九電のプロジェクトはそこまで行くのかどうか明確ではないようだ。米国では1時間単位に料金が変わる地域もあるから、リアルタイムの料金計算ができなくては消費者も困る。またそのような情報を知らされた消費者が浪費を自覚して電気の消費を抑制するだろうし、スマートメーターは第一にこの効果を狙っている。しかし、日本でもこの方向にいく最初のステップとして自動検針に踏み込んだのは評価すべきだろう。関西電力も同じことを考えているはずだ。