効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

家庭用燃料電池が市場へ出た

新日本石油三洋電機が合弁で設立したENEOSセルテックが7月1日、三洋電機東京製作所(群馬県大泉町)の自社工場で家庭用燃料電池エネファームの出荷を開始した。商用機の出荷は全国初ということだから、東京ガスより早いことになる。出荷に先駆けて開かれた式典では新日本石油の渡文明会長、ENEOSセルテックの一色社長をはじめ、佐野精一郎・三洋電機社長ら関係者がテープカットを行い、エネファームの初荷を載せたトラック2台が工場を出発した。この初出荷の式典には大阪ガスの尾崎社長も出席しているから、どこの店頭に並ぶか知りたいものだ。
ENEOSセルテックは5月からエネファーム購入の予約受付を開始。政府補助金のバックアップも得て、これまでに約500台の成約を得ていると報じられている。09年度はLPガス、都市ガス向けを中心に年間3千台の出荷を予定。その後生産規模を広げ、10年度1万台、15年度4万台の量産化を目指すとのこと。しばらくは灯油向けの燃料電池は出さないのだろうか。自宅で実証試験を行っていたものと同じ750ワットのもののはずだ。政府の補助金として準備された予算はすでに使いきったということだから、業界全体として今年度の販売目標は達成できるのだろう。問題は来年度になる。ハウスメーカー燃料電池太陽光発電を組み合わせて(ダブル発電)販売しようとしているのに対して、電気事業連合会は、この住宅からの余剰電力買取はしたくないという文句をつけている。もし買取条件が一般より不利になるような制度が導入されれば市場は縮小するだろう。
燃料電池自体、エネルギー効率が高く、大気汚染もほとんどない優れた分散型発電なのだが、電力業界はもともと分散型発電の導入が増えるのを嫌っているし、ダブル発電は電力の販売から見るとマイナスになるし、余剰電力の買取が高いので二重に嫌だということだろう。しかし、太陽光発電は昼間の需要が高いときにだけ発電するのだから、kWhあたり50円で買い取っても、ピーク時の限界発電コストよりも安いはずだ。どうもガス会社いじめの感がある。