政府が主目的としては低迷する消費の底上げをするために考案した「エコポイント制度」がやっと本格的に動き始めたようだ。当初どのような家電製品がどのようなポイントが得られるかもはっきりしないまま制度が始まった感じであったが、対象となる高効率家電と獲得できるポイントもはっきりして、対象商品の販売は大きく上向いているとのことだ。しかし、獲得したポイントで何を購入できるのか、いつから適用されるのかがまだ決まっていなかったのが、購入した人がポイントの証書を示して交換商品の申請をするための受付を7月1日から開始すると発表された。
何に交換できるか分からないままに多くの人が対象家電製品を購入し始めたときに、日本国民が持つ政府への信頼感は大したものだと思ったものだ。自分がほしいと思うものがポイントでは買えない可能性もあるはずなのに、ポイント分だけ安くなるからというだけで大枚をはたくのだが、自分が欲しくないものばかりだったとしたらポイントをどうするのだろうか。これは現金に換えることはできないはずだから。また、申請書類を書いたりするなど極めてお役所的な手続きが必要となるのは、まるで確定申告と同じではないかという気がする。
エコといいながら、地デジ対応というだけでこの制度の対象になるのは、対応するテレビを増やそうとする目論見が見え見えだ。サイズの大きい冷蔵庫の方がポイントで有利になるのも肯けない。エコに名を借りた販促策、企業救済策だ。いまの経済状況を考えれば仕方がないとは思うが、拙速のほころびが出ないことを願っている。
