効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

大型電池10秒で充電

川崎重工産業技術総合研究所と共同で、充電時間が10秒以内で済むニッケル水素蓄電池を開発したと発表している。極細の炭素繊維を特殊処理した電極を使うなど従来と構造を一新して、充電時間が従来の10分から60分の一になっている。電車やバスなど大型の車両向けに、5年後の実用化を目指している。
ニッケル水素電池は現在市販されているハイブリッド車に使われている蓄電池だ。発火の危険性も次世代の電池とされるリチウムイオン電池に比べて小さいが、容積あたりの蓄電容量が少ないため、リチウムイオン電池に取って代わられるとされている。しかし、それは乗用車という容積が小さいものに詰め込まなくてはならず、またできるだけ重量を軽くしたいという必要性があってのことだ。スペースに余裕がある大型車両の場合、コストが安く、不燃性の材料からなるニッケル水素電池をそのまま高性能化させる方が需要を見込めると川重は見ていると報じられている。自分も同感だ。しかしこれだけ充電時間を短縮できるとは思っても見なかった。記事にもあるように、駅間隔が短い電車やバスなどであれば、停車中に充電してやれば次の停留所まで動けるだけの蓄電ができれば良いわけで、電気バスや電気フォークリフトなどで試みられているような、電磁波による非接触充電方式の採用も簡単になるだろう。ブレーキのエネルギーで発電してそれを貯めることもやりやすいはずだ。
どうもリチウムイオン電池しか将来がないようなことを言う人がいるが、あくまでも自動車用を念頭に置いた発言だろう。移動しないもの、移動してもそれ自体が大きくて多少大きな蓄電池でも搭載できるとすれば、このニッケル水素電池でも、もっと言えば鉛蓄電池でも良いはずだ。鉛蓄電池の性能も改良が進んでいるようだ。夜余っている電力を貯めておいて昼に使えるほど価格が下がれば、何も無理をしてリチウムイオン電池を使う必要なないと思う。さらに技術開発が進むことを期待している。