効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

太陽光発電と系統

電気事業連合会は5月22日、太陽光発電の大量導入時に備え、電力系統への影響を評価する実証試験を始めると表明した。東京電力を除く電力9社と関電工が参加する。全国320カ所に日射量計と気温計を置き、1秒単位で計測。このうち111カ所では太陽光発電約1500キロワット分の出力も測り、雲の動きや天候による出力変化を調べる。周波数変動や需給への影響のほか、複数の太陽光発電の出力変動割合がならされる平滑化効果も分析する。実証費は約14億円で、今年度から3年間実施する。
日射量計と気温計の設置数は、北海道が19、東北が21、関東甲信が67、北陸が26、東海が54、近畿が59、中国が29、四国が17、九州が24、沖縄が4。これまで1時間単位で計測していた日射量と気温を秒単位で測り、太陽光発電出力に与える影響を高精度で把握する。
太陽光発電出力は全国の111カ所・1539キロワットで調べる。内訳は北海道が4、東北が5、関東甲信が20、北陸が13、東海が30、近畿が3、中国が6、四国が4、九州が24、沖縄が2。九州の14カ所・455キロワットは新設する。それぞれの太陽光発電では短・長周期の出力変動、平滑化効果を分析する。
各社が集めたデータをもとに、電気事業連合会が電力系統に与える影響を評価する。変動抑制のための周波数調整量、既存設備で対応不可能な場合に必要な蓄電池容量を推定。年間の出力変動量も把握し、必要な火力、水力の待機電源量を洗い出す。
ここまでが報道された記事だが、どうして東京電力は参加していないのだろうか。系統に対する影響度合いはどこの電力会社も同じ筈だ。諸外国ですでにこの種の実証試験は昔から行われていて、蓄電池が必要だ等という報告は皆無の筈。風力発電の場合には地域によって風の性状が大きく異なるために、海外の試験データを使うのには無理もある。しかし、太陽光発電の場合には、現在の気象データでほぼ解釈できるはずだし、こんな大がかりなことをする必要は全くないはずだ。これは電力会社だけで作り出す資料だから、針小棒大に出力変動の影響を主張する資料にしようとしているとしか思えない。待機電源は、需要変動に備えて今でも準備されていて、太陽光発電が加わってもことさらに云うほどの待機電源量にはならないはず。その確認だけにこれだけのお金を使うのだろうか。別の意図があるのだろう。