効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

オバマのグリーンニューディール

オバマ米大統領が示した大まかな方針によると、自動車の平均燃費を段階的に効率化し、2015年までに目標走行燃費を1L当たり63kmとする。さらにプラグインハイブリットカー(家庭のコンセントで充電できる車)の100万台体制をまず確立したいとしている。2015年というとこれから5年だから、経営危機に直面している米国の自動車産業がこの目標達成に貢献できるだろうか。雇用の確保もオバマ政権の大きな目標だから、これを輸入される自動車や蓄電池で達成させようと考えてはいないはずだ。
プラグインハイブリッド自動車に使用されるのはリチウムイオン電池だということになるが、充放電の制御をうまくやらないと発火・爆発することもあるようだ。安全性については自信があればこそ今年から日本でも発売される電気自動車にも採用されているのだろうが、専門家の意見ではまだ蓄電池としての安全性について改良すべき余地が大きいという。蓄電池が原因の人身事故だけは起こしてほしくない。
一方、2012年までに電力の10%、25年までに25%を再生可能エネルギーで発電するほか、10年以内に新築住宅のエネルギー効率を50%以上、既存住宅を25%以上向上させて、2030年までに全新築住宅をカーボンニュートラルにするとする方針も示している。住宅は何とかなるような気がする。再生可能エネルギーによる発電の主流は風力発電になるだろう。風力発電の規模ではドイツが昨年までトップを走っていたが、2008年末の数字で米国が1位になった。米国は前年までの設置規模の50%近い増加をしているが、この増加スピードはここ当分続くだろう。風力発電は風の有無で発電量が大きく変動するから、これを受け入れるために送配電系統を整備しなくてはならない。だからこそ全国にまたがる送電系統の整備に大きな予算を充てている。
いろいろ克服すべき課題はあるが、このように具体的な目標を示し、包括的な予算措置も講じているのを見ると、日本の地球温暖化の側面から見たエネルギー政策には国民を引っ張っていく力が欠けているような気がしてならない。