効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ETCの普及策は環境を悪化させた

ゴールデンウイークの狭間に入っただろう。7日、8日にも休暇をとっている人たちはまだゆっくりしているだろうが、明日6日で連休が終わる人たちはそろそろ家路に向かう。今年は連休を楽しむために使った移動手段として乗用車がかなり増えたのではないか。それは、休日にETCを使って高速道路を利用した車は、都心部は別にして、高速道路を乗り継いでも1000円しかかからないという誘惑的なメッセージが国から発信されたからだ。ETCの普及率は国土交通省が当初想定していたよりもかなり低いために、折角大きな投資をして設置したETCの利用率が上がらなかったのを、期日を切って、また台数に限度を定めて補助金を出して、ゴールデンウイーク前にETC設置数を上げようとした。設置希望が殺到して、予定した台数をオーバーし、追加策も準備したものの、希望したETCを取り付けられなかった人も多かったようだ。
それはともかく、ETCで安く旅をしようとした自家用車の数はかなり増えただろう。それは、報道される渋滞が昨年より規模が大きいのを見ても分かる。また、いつもより長距離を走る乗用車も多いことは確かだろう。それは結果としてガソリン消費量をぐっと押し上げ、二酸化炭素の排出が増えて地球温暖化を若干でも促進しただろう。渋滞が長かったということは燃費も悪くなるから、ますますガソリン消費量も増えているはずだ。地域の大気汚染も進んだだろう。そしてトータルの経済性はどうだっただろうか。いつもより長距離を走ればガソリン代も多くかかる。高速料金を節約できた金額よりガソリン代がかかるケースもあったのではないか。今回のETC設置促進策は、休日には自動車を長距離走らせようとしているわけだから、経済活性化には則しているかもしれないが、地球温暖化防止を標榜している政府の方針に大きく反することになる。環境省は文句をつけないのだろうか。