効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ゴミを減らす一つの着想

人間が活動した後には必ずゴミが出てくる。自然界で分解できるものであっても、その量が分解能力を超えると環境汚染につながる。1930年代くらいまで人糞は貴重な肥料だった。幼い頃の便所は溜式で、農家がそれをくみ取りに来ていた。住人の食べ物によって肥料効果が高いかどうかが決まっていて、買値も(肥として買っていた)違っていたようだ。それを畑に使えば、ちゃんと分解されて野菜などが生長して、後には何も残らず、野菜は食べられてまた糞として排出されたのだ。ところが人口が都会に集積して人糞の排出量が増え、かつ化学肥料の方が使用に簡単だし効果も大きいということで、糞尿は汚物として処理されて厄介者となっていった。今では下水に流されて処理されるが、川に流しても良い程度に分解するだけで、本来は豊かな資源となるべきものが、処理にエネルギーを要する廃棄物になっている。最近、この処理をした後に残る残渣を燃料にする方式が採用されるようになったが、生物起源のものだからとはいえ、燃やすだけに終わっているのはもったいない話だ。
このように大上段に振りかぶった話ではないが、新聞に小さく掲載された面白い商品開発がある。宛名用に使うシールは便利だが、印刷されたシールをはがして郵便物に貼り付けた後に必ずシールの台紙が残る。郵送数が多いとこの台紙が一杯たまって結構なゴミになる。これに目をつけたシールメーカーが、台紙を使わないシールを開発した。シール同士を表裏で貼り合わせて、両面印刷した後でこれを2つに分ける。貼り合わせに使う接着剤を工夫して、台紙が無くても簡単に分離できるようにしたのだ。シール自体も送付先に送られるとゴミになるのだが、従来手元に残された台紙は、最初からゴミだった。台紙なしの宛名シールを使うと、郵送した後には何も残らない。いまビジネスなどに利用されているシールの数は膨大だろうから、それに応じて大量の台紙が捨てられている。それを収集するのにもエネルギーを消費するから、台紙が不要になっただけでエネルギー消費を大きく削減できるはずだ。使い方も、送り先に間違いなく届けたい情報を同時に宛先の裏側に動じ印刷するなどの用途も推奨している。身の回りに目を向けると、案外このような環境負荷低減策や作業改善策があるのだろうと思った次第。