効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

万博記念公園にあるスターリングエンジン発電設備

土曜日。普通ならゆっくり寝ているはずだが、早めに起きて出かける。天気も良いので久しぶりに自転車で駅まで。万博記念公園は森になっているが、その手入れで間伐されている端材を利用してボイラーを動かし、その高温でスターリングエンジン発電設備を動かすNEDOの実証試験が3年前から行われている。ボイラーもエンジンもドイツからの輸入だったが、昨年秋にスターリングエンジンが壊れてしまい、それを国産エンジンに変えて稼働させ始めたところの状況報告会があったので、それに参加するためだ。この会合はWEIN(Wood Energy Industrial Network)という木質バイオマスの利用を事業化しようとする団体が開いた第一回の研究会で、NEDOのプロジェクトを推進している大阪の里山倶楽部の他に、新しいスターリングエンジンを作製したサクション瓦斯機関製作所というメーカーからの話、そして木質チップやペレットを燃料に使ったボイラーメーカー、イクロスのプレゼンもあった。
11時から公園内にある実験場で設備を見せて貰い、午後から大阪ガスの展示場ディリパ内の会議場で報告会があった。新しいスターリングエンジンは、以前の方式のようにボイラーの燃焼室に直接エンジンの高温吸収部を置かず、ボイラーの高温を一種の油に移して300度で循環させ、その熱でスターリングエンジンを駆動する低温駆動方式に変更されていた。ボイラー内の1000度を超える燃焼温度でスターリングエンジンの熱吸収部が壊れてしまった経験から、低温で駆動する方式に変更したのだ。新しい発電設備の電気出力は800ワット。また実験段階なので、蓄電池へも接続せずダミー負荷で放散している。ボイラーは熱媒体を300度に熱した後に熱交換器で温水を作り、それはすぐ近くに作られている足湯として供給されている。
無料の足湯へも行ってみた。まだ経験したことがなかったので使わせて貰ったが結構リラックス効果もあった。人気もあるそうで、土日など来園者が多いときには2〜30分待っても利用する人が多いそうだ。温度は42℃で10分間足を浸けるのが標準になっている。屋外足湯もあって楽しめそうだ。
ボイラーには一日に6〜70キロの薪を投入する。大きなものなので手で投入している。外に放置してかなり乾燥させたものを使っている。昼間だけ運転しているが、循環する熱媒体の温度管理も手動でやっているので、自動運転ができないからでもあろう。大型ボイラーに後付のスターリングエンジン発電機がくっついている形だ。ヨーロッパの事例を見ても、発電機として見るのではなく、ボイラーから少し電気が出てくる設備と見た方が良いだろう。もともと大きな給湯負荷がなければ意味のない方式だ。だから、本来ゴミになる材木を燃やすことでCO2排出を抑えることに価値が付けられなければなかなか経済性を出すことは難しい。長くなるので今日はこれまで。