効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

非接触充電

工場などで無人搬送車が動き回っているところは結構多い。床に設置してあるガイドに沿って自動的に目的の場所まで移動すると止まる。この搬送車を動かすのは蓄電池をエネルギーとするモーターだ。この電池は常に充電しておかないといけないが、これまでは既に充電が済んだ電池を入れ替えるという方法で作業を継続していた。この電池は容量50アンペアほどのもので、充電に8時間ほどかかるという。搬送車に載せられている蓄電池を取り外して充電装置に取り付けなくてはならない。電池は重いから作業する人にとっても負担となる。充電時間も長いから、予備電池を備えておくコストもかかる。
これを磁力を利用して車に載せたまま充電できる装置を開発したメーカーがある。非接触式の充電装置は、早稲田大学本庄キャンパスで実物を見たことがあるが、それは電気バス用のもので輸入品だった。国内にはないのかと思っていたのだが、これで国産ができたことになる。受電用コイルを搬送車に取り付け、工場内の据え置き型充電装置に給電用コイルを取り付けてある。搬送車をこの充電装置の所に持っていって所定の位置に停車させると充電してくれる。何の作業も必要がない。しかもこの2つのコイルの間に磁力増幅装置を入れて2〜3センチのギャップでも充電できるようにし、充電時間も30分程度まで短縮できたという。搬送車を多く持つ工場では作業環境が大きく改善されることになるはずだ。従来の充電方式に比べると磁力への変換、磁力を直流にする変換、双方で電力ロスがあるはずだが、それを越える作業改善ができれば導入のメリットは大きいだろう。しかし、充電時間がこれほど短縮できるというのは本当だろうか。おそらく鉛蓄電池だから、これまでも充電時間の短縮は試みられているはず。もしこの短縮で蓄電池の劣化が早くなるとすれば問題だろう。