効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

国内最大の風力発電所が五島列島に

日本風力開発長崎県五島列島宇久島に国内最大となる出力10万キロワットの風力発電所を建設する。住民が少ない地域に出力2000キロワットの発電機を50基設置するというから、できあがると壮観だろう。新たな観光資源にもなる。この規模だと島では使い切れないし、本島から送電を受けているとしても、接続されている送電線の容量が小さいはずだから出力変動を吸収できない。電力需要が大きい世保市中心部まで約60キロの送電線を敷設することになっている。宇久島は海からの強い風が安定して吹くため、風力発電設備の稼働率は高くなると見られている。発電所と送電線を合わせて260億円程度の投資額となり、2011年の運転開始を目指している。10万キロワットが2年で建設完了するのだから火力発電所建設に比べると極めて早い。60キロの送電線もこの期間で敷設できるというのは初めて知ることだが、これから洋上発電も具体化するはずだから、参考になるだろう。
60キロの距離の海底に敷設する送電線だが、おそらく漁業権の問題が出るだろう。すでに漁民と話し合いが済んでいるのだろうが、このあたりには不在漁業権者は少ないだろうし、ひょっとすると、建設プロジェクトが終了した後も、発電に応じて何かの形で収益が得られるような方式が考案されているかもしれない。従来の形では、漁業に被害が出るからということで補償措置がなされるのだが、それではごね得が生まれやすい。発電会社を別に作って、漁民をその会社の株主になって貰えば、配当という形で長くメリットを得ることができる。地元に利益が還元される方式を導入しなければ、発電の収益は全部地域外に移転してしまう。50基の風力発電機であれば、その維持管理にも人手が必要だろうから、維持管理会社を作ってそこに地元の人が就職できれば理想的だ。勿論技術的な訓練が必要だし、地元の人がそれを受け入れることが基本なのだが、何とか一回限りの補償方式から脱却することを考えないといけない。