効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

会議終了

丸一日の会議が終わった。ヨーロッパにおけるマイクロ・コージェネレーションの開発状況についていろいろ学んだが、日本の家庭用ガスエンジン・コージェネ「エコウイル」と燃料電池エネファーム」の商品化の話も大阪ガスから紹介されて、そのセッション終了後何人もの人が寄ってきて質問したり、エンジンメーカーのホンダとのコンタクトを求めたりがあった。日本とヨーロッパを結ぶ技術交流、商品交流がここから生まれれば面白いが、市場の条件がかなり異なるために、簡単な話ではないだろう。
日本では太陽光発電からの余剰電力だけ電力会社が買ってくれる。売買価格が同じになるネットメータリングシステムだ。マイクロ・コージェネが発電する電力は系統に逆流することはできない。ところが、ヨーロッパでは系統に売ることができるのが当たり前になっているようだ。だから一軒の家が消費するお湯の量に合わせてコージェネを作動させて、それに応じて発電した電力でその家で消費できないものは電力会社に売ることができる。その場合にも、売買価格が同じか、売りの価格の方が高くなることもある。それは国によって異なっている。コージェネを使う家庭は光熱費が下がるだけでなく、利益を得ることもできる。これが日本との大きな違いだろう。日本では燃料電池のように発電効率が高いものも、系統へ逆流させることができない。この保守的な制度は世界の流れから取り残されていることは確かである。
オーガニックサイクル発電の説明もあって、テストの様子もスライドで見せて貰ったが、これがいつ商品化されるかはまだ分からない。スターリングエンジンにしろこれにしろ、ヨーロッパでは貯湯式の給湯器として商品化されている。いわば発電機能がくっついたボイラーで、そこからの電気を一部ないし全部を電力会社に売ることができることが日本との違いだ。日本でもこのような制度が導入されれば、マイクロ・コージェネはもっと普及するだろう。CO2の排出削減にももっと貢献できるはずだ。ヨーロッパのマイクロ・コージェネを巡る制度について日本がもっと学ぶ必要がある。電力会社にとっては売上減につながるから基本的には賛成しないだろうが、電力の発送電効率より高いエネルギーシステムについては、日本の環境対応策として政府が制度設計をしなければ温暖化ガスの削減目標を達成するのは難しいとあらためて思った。