効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

今日は講師として

今日は午後1時から、奈良の市民団体「サークルおてんとさん」が開催した「集まれ!奈良の自然エネルギー2009」のシンポジウム「住まいから考える地球温暖化防止」の講師として最初の1時間を担当した。依頼された内容は、一般的なことではなく、消費者にとって電気ヒートポンプ給湯器「エコキュート」と、それに一体化している「オール電化ハウス」がCO2排出削減という環境の視点から見て、地球温暖化防止に役立つのかどうか分からないので、説明をしてほしいというものだった。新聞などの広告にいまでも地球環境に優しいオール電化ハウスというような表現をみるこがある。これが妥当であるかどうかは、公正取引委員会が電力会社に警告を出したように、極めて疑問の多い表現だ。オール電化ハウスはエコキュート、あるいは従来型の電気温水器が組み込まれなければ成立しないが、エコキュートを使ってもCO2削減効果があるとは言えない。エコキュートはその原理と技術開発の進展によって、従来の給湯方式に比べて高効率になる可能性はあるが、常にそうではない。それはいろいろな実証試験でデータが出されている。光熱費が安くなるという意味では、現在のオール電化料金体系に従えば安くなる可能性は高い。しかし、オール電化ハウスで光熱費が安くなるのと高効率であることとが同じではない、という趣旨のことを電気料金表も持ち出して説明した。
自分のプレゼンの後、大和ハウスセキスイハイムの方が、高効率な住宅について説明された。自分は1時間貰っていたのに対し、お二人は15分しかなかったので苦労しておられた。大和ハウスは越谷に建設した街区丸ごとCO220%削減を実現した団地レイクタウンの事例を引いて会社の環境に対する姿勢を説明され、セキスイハイム太陽電池の設置によって光熱費ゼロを達成できることを話された。後者は当然オール電化ハウスを前提にしているが、受注は非常に好調なようだ。
3人の話の後、会場からの質問状にしたがって話をし、後半には参加者から直接質問を受けたりしたが、住宅2社に対する具体的な関心が中心になっていた。集まっている人たちはもともと環境志向の強い人ばかりだから、オール電化は地球環境対応とは関係がないという自分の説明も納得して貰えたようだった。
時間が押し気味になるのを引き締める司会の役もやったので、いささか疲れた。