効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

自然エネルギー導入のための系統費用

今日午後、客員をしている関学総合政策研究科の環境政策をテーマとしたリサーチプロジェクト指導の最終日。いつもは三田キャンパスであるのだが、今日だけ上ヶ原のキャンパス。打ち上げの会食をすることになっていたが適切な場所が上ヶ原しかないのだ。朝から全く食欲がなく熱も少しあったが最終日ということで出かけて、同僚の教授とともに最後のコメントなど。しかし、絶食状態だから打ち上げの会食は辞退して帰宅。力が抜けたような感じがする。
ところで、経済産業省資源エネルギー庁は、自然エネルギーを大量に系統へ導入した際に起こる問題を軽減解消するための対策として、どの方式がもっともコストを少なくできるかを検討している。そこでは、配電対策とともに系統側で蓄電池を置いて余剰電力対策を行うケースをもっとも経済的なものと想定しているそうだ。
自然エネルギー側に蓄電池を設置する方法もあるが、これが妥当だという方向ではなかったのに多少ほっとした感じがあるものの、蓄電池を系統側につけるのが本当に全体としてコストミニマムになるのかどうかについてはもっと検討すべきではないかと思う。あまりにも電力企業側の自己防衛的姿勢から出てきた結論ではないだろうか。電気の流れが従来のように常に上流から下流に流れるのを基本的に変えたくないということではないか。蓄電池設置以外には、太陽光パネルの出力抑制(系統の電圧が上がりすぎると発電させないようにする)、余剰電力買取のあり方も上げられている。後者については、現在行われている買い取り価格の設定を変更しようということだろうか。あるいは邪魔者だから廃止することを考えているのだろうか。
英国の友人に蓄電池の設置が必要だと言われていると伝えたところ、蓄電池を使わなくても系統側で吸収できるはずだと言われた。ドイツのように大量の風力発電太陽光発電が設置されているところでも、蓄電池が必要だという論評をいままでに見たことがない。ヨーロッパ全体の系統が繋がれているし、電気が逆流するのを許容する網構造になっているからなのだが、日本の系統をその方向に変えるのにどのくらいのコストがかかるのかも公表してほしいものだ。