効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

地熱発電へのコメントをいただいて

新年1月3日に書いた地熱発電にコメント、あるいは間違いの指摘をいただきました。感謝です。
名無しさんからの「えー、新エネの定義は既に見直されて、地熱は再び含まれています。」と「えー、日本の既存地熱はフラッシュさせた蒸気の数割が大気に放出される以外、熱水等は地下還元されており、他国のように河川放流などはしておりません。」といういう2つのコメントです。
実は地熱発電が新エネルギーに入っていないと書く前に、資源エネルギー庁のホームページでチェックしました。新エネルギーに組み込まれたかもしれないと思ったからです。ところが、http://www.enecho.meti.go.jp/energy/newenergy/newene01.htmに下記のように述べられているのを知ったのです。
『「新エネルギー」は、1997年に施行された「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法」において、「新エネルギー利用等」として規定されており、「技術的に実用化段階に達しつつあるが、経済性の面での制約から普及が十分でないもので、石油代替エネルギーの導入を図るために特に必要なもの」と定義しています。そのため、実用化段階に達した水力発電地熱発電、研究開発段階にある波力発電や海洋温度差発電は、自然エネルギーであっても新エネルギーには指定されていません。』
それで新エネルギーに入っていないと書いたのですが、ご指摘を受けて再度資源エネ庁のホームページで調べてみましたら、昨年の1月29日に政令の改定が行われて、地熱発電が新エネに組み込まれていました。ただ、地熱発電全てがそうなっているのではなさそうです。政令のプレス発表には、「最近の新エネルギー利用等をめぐる経済的社会的環境の変化を踏まえ、利用促進の対象となる新エネルギー利用等から再生資源を原材料とする燃料を製造すること等を削除するとともに、アンモニア水等の液体を利用して地熱を発電に利用すること等を追加するものです。」とあるように、地熱を液体に伝えて膨張させ、それでタービンを回すバイナリー発電に限定しています。高温熱水の蒸気で直接発電するものは新エネルギーには入らないということです。これは私の解釈間違いかもしれません。またご指摘いただければ有難いです。
バイナリー発電は閉じた回路の中にある比較的低温で気化する液体を利用して圧力を上げ、それを圧力の低い側との圧力差でタービンを回して発電するもので、最近このシステムによる地熱発電プラントが主に建設されているようです。多分私が書いたような地下からの不純物が地上に出てくるのを防止しやすいからではないかと思います。ご指摘のように日本の地熱発電プラントは、発電した後の高温水をまた元に圧入しています。利用後の熱水を放流するよりもコストがかかりますが、地表の汚染が起きるリスクが下がります。しかし、汚染の可能性はゼロではないと思います。熱水に溶けている鉱物成分を完全に封じ込めることは簡単なことではないでしょうから、プラントの設計には苦心しておられるでしょう。