効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

初詣

大阪から帰ってきたミュージシャンの三男を加えて3人、午後遅めに春日大社へ初詣。氏神様みたいな感じで、毎年お参りしている。長い参道を足が痛む連れ合いが歩き通せるか心配したが、元気にお参りできて、皆それぞれに悪くないおみくじを引いたので、まずまずだった。
参道に平成27年に60次式年遷宮との垂れ幕が下がっている。伊勢神宮が20年ごとに遷宮するのは有名だが、春日大社も古来の伝統をずっと続けているのだ。社務所でお話しを伺ったのだが、春日さんの場合、本殿などが国宝や重要文化財に指定されているので、全面を移し替えることはできないそうだ。代わりに、定期的な大規模補修と、全面的な解体修理という手段で遷宮することになる。
20年ごとの遷宮には、技術の伝承という意味合いもあるということも伺った。神社仏閣の建築、装飾、調度品など、全て伝統技術に支えられている。これは昔であれば工匠の家族が代々引き継ぐ技で更新されてきたのだ。20年という長さは、技の伝承にどうしても必要な期間であるというのは人間の寿命と修行の長さを考えると頷けるものだ。技を伝える家系という社会構造が次第になくなっている今、伝統技術の伝承は円滑に行くだろうか。また、建築その他の素材も、次第に入手が難しくなっていると聞くから、伝統のシステムの維持そのものから考えておかないといけないだろう。
20年という数字は、日本の木造家屋の寿命が20年だとよく言われるのに符合している。木造家屋の場合、人間がうまく手を入れていればその何倍も寿命はあるはずだ。ところが、手を入れてもそれが建物の価値にほとんど反映されることがない現在の評価制度のために、木造家屋がすぐに撤去されてしまっている。今後は構造がしっかりしていれば、取り壊しは原則認めないような規制が導入されなければなるまい。日本の文化に基づいた家は木造である。それを鉄骨とコンクリートに置きかえるのは、一見家屋の寿命を延ばすようだが、非木材素材は、その寿命が来れば再生することは難しい。手入れされた木造家屋の方が寿命は長いはずだ。取り壊される木造家屋を見ると、骨格の木材はまったく傷んでいないのを見ると、手入れをして評価を高めた中古住宅の市場を拡充することが、日本の資源を保全する有効な手段になるのだろうと思っている。