効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

原子力発電所の廃炉

あーやはり、という記事が今朝の新聞に出た。中部電力耐震強度の向上工事のため長期停止中の浜岡原発1号機(54万キロワット)、2号機(84万キロワット)(静岡県御前崎市)を廃炉にし、いままで5号機まであったところに6号機を新設する計画をしているということだ。両機の耐震工事が当初の予想の規模を超えて、2011年度からの運転再開が難しくなる可能性が出てきたためだという。
この1,2号機は、それぞれ1976年、78年に運転を開始し、すでに30年以上を経過している。配管破断事故などで1号機は01年、2号機は04年から耐震強度を高めるために長期点検に入っていた。重要機器の交換時期に入っていることもあって、新規建設の方がコストが小さくなると判断したと報じられている。全国の商用原発55基のうち、運転開始から30年を超えるものは17基ある。いままでに廃炉撤去に入ったのは、1966年に営業運転を始めた日本原子力発電の東海原発茨城県東海村)がある。日本や米国では最長60年の運転を前提に安全規制を行っているが、日本は運転開始から30年経過した時点で「高経年化対策」を実施するよう求めている。耐震強化の課題が新たに出てきたために、今後廃炉が加速する可能性が高くなっているという。
原発廃炉には運転停止から20年程度の期間がかかる。解体には作業員の被爆の問題もある。また、解体した廃棄物の中には放射能レベルの高いものもあって、地下に埋設処分する必要があるが、その場所がまだ確保されていない。どのような結末となるのか、解体費用も600億円と想定されているが、見直しの都度予想コストが上がっているのだから、おそらくこの2倍はかかるのではないだろうか。このままだと廃棄物を現在の所から移動させられないことにもなる。また新設と廃炉作業が平行して行われるのだが、そのような芸当がうまく行くのだろうか。新規立地ではなく設備の追加だから、原発設備建設の許可は出やすいだろう。しかし、反対運動が出るのを避けることはできない。その動向によっては、政府も建設認可を出すのに慎重となる可能性もある。
地球温暖化ガスである二酸化炭素を運転時には出さないということを前面に出して新設を推進しようとしてきたが、それに赤信号が点滅し始めたのかもしれない。