効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

テレビの廃却

我が家のテレビは何年も前に特売で買ったものだが、購入後一度も故障せず、まだきれいな画像を見せてくれている。地上デジタルテレビが次第に一般化していて、それに切り替えるときれいに見えるのはお店の店頭で確認はしているし、ケーブルテレビを使っている我が家では申請だけすれば料金が多少上がるかもしれないが、特別なことをしなくても切り替えはできるはずだ。また、高画質テレビの値段もどんどん下がって、買い換えてもいいかななどと思わないでもない。しかし、何の問題もなく一生懸命動いてくれているいまのテレビを廃却する気にはなれない。誰かに譲ったとしてももう2年すればチューナーを付けない限り見えなくなるのだから。
全面的にデジタルだけになるまで現用のものを使い続けるという人は友人にも多い。やはりもったいないという感じが強いのだろう。しかし、最後の段階になると旧型のテレビが一斉に廃却されることになる。ゴミとして出すにもいくらかのお金を払って処分して貰わないといけないので、それを嫌って見えないところに捨てる人も多いだろう。最近の報道では、いまでも旧式のブラウン管タイプで回収された数が、廃棄物処理する施設の能力をオーバーし始めていて、これがもっと増えたらどうすればよいかと頭を抱えている処理事業者が多いそうだ。
しかし、旧式のテレビの回路には希少金属など回収できれば有用なものが豊富に使われている。これを考えるとこの再利用をもっと推進するべきだろう。そうしなければ、中古品として回収されたものが中国などに輸出されて、中古ではなく廃棄処理されて金属回収に回されるだろう。それで回収された資源を日本が購入することになるとすれば、これももったいない話となる。金や銀の回収だけ考えても豊富な鉱物資源が国内に眠っているのだから、早く対応策を考えなくてはなるまい。
驚いたことに、ブラウン管に使われているガラスの回収と再利用が難しいのだそうだ。まず重量が大きいことに加えて、特殊なガラスなので、再利用がうまくできないという。鉛の含有量が多いものもあるそうで、その場合他のガラスと一緒に溶解することができない。また溶融温度もかなりガラスによって違うそうだ。しかし、品質的には極めて厳重な管理の下で製造されたものだから、その再利用についてもっと知恵を出せば、極めて有効な利用法が見つかるのではないか。業界だけでなく、政府施策としても早く対策をとってほしいものだ。