効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

奈良公園と電気自動車

古都奈良を訪れる観光客の数は必ずしも多くはない。特に問題となるのは訪問する人数に対する宿泊する人の比率が京都などに大きく引き離されていることだ。何とか奈良を魅力あるものにして滞在客を増やすのが大きな課題になっている。
2010年に平城遷都1300年を迎えるのを間近に控えて、観光客が快適に奈良公園を回れるようにと、県と奈良市は8日、公園内を通行規制し、周遊バスの運行や歩道拡幅などの社会実験を始めたと報じられている。もっと前からやるべきことだったと思うが、それでも着手したのは結構なことだ。その一環として環境や乗り心地に配慮した電気バスも導入されている。無料の周遊バス5台が10分間隔で、県庁、東大寺春日大社奈良国立博物館などを回るが、うち2台は北陸電力早稲田大学の電気バスが使用され、多くの観光客が利用したという。
早稲田大学の電気バスは、いま堺市でも試用されているはずだ。1〜2年前に早稲田大学の本庄キャンパスで乗せて貰ったことがある。同大学の大聖泰弘教授が開発しておられたのだが、あるプロジェクトでご一緒していたことから試乗機会を得た。この電気バスの特徴は、停車している間に、電気コードを接続することなく充電できる非接触充電システムを採用していることだった。このシステム自体は確かヨーロッパから輸入されたものだと記憶している。バスは必ず同じところに戻ってくるので、出発地点で停車時間が長いところにこの装置を地下に設置しておくと、その上に停車している間に自動的に電磁誘導で蓄電池の充電ができるようになっている。その操作に人手は不要だから、周遊バスなどには向いているはずだ。大学のホームページ出ている写真を拝借して紹介する。

奈良のような道路が狭いところには、単なる輸送ではない何か楽しい乗り物ができないかなと思っている。たとえば小さなトロッコを引っ張るようなもので、乗ること自体が楽しくなるようなものを考案できないだろうか。場所の名前を忘れたのだが、ヨーロッパの古い町で、昔からの狭い曲がりくねった道を、細長い屋根付きトロッコを数台引っ張るミニ牽引自動車に乗ったことがある。それ自体が魅力の一つになっていた。奈良も古い遺産だけに頼るのではなく、もっと知恵を投入する必要があるだろう。