効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

二酸化炭素排出量前年比2.7%増

どの新聞にも出ているだろうが、メモ代わりに書くことにした。日本国内の排出量は2007年度に前年比2.7%増の12億1千800万トンとなり、2年ぶりに増加に転じた。当然のことながら、東京電力柏崎刈羽原子力発電所万キロワットが停止するなど、原発稼働率が低下して、化石燃料を使う火力発電所で代替したことが響いたと報道の解説に述べている。代替した発電所の中には古くて発電効率の低いものも多かったはずだから、排出増加量も多かっただろう。原発の設備利用率が約60%と前年度より10%低下している。設備コストの高い原発は、定期点検を除いて可能な限りフル稼働させなければ発電コストも下がらない性格のものだから、東電が赤字に転落したのもそのせいだ。政府の京都議定書目標達成計画では、原発の設備利用率を80%台後半と想定している。現実とはかけ離れた状況を改善するのは難しいだろう。
エネルギーの消費量自体は15,857ペタジュール、0.7%減で3年連続の減少となった。製造業や店舗などでエネルギー効率が改善したというが、産業部門は生産量が増えて0.9%増。いままで増加を続けていた店舗やオフィスなど民生部門のエネルギー消費量は2.2%も減っている。この主要因は何だろうか。急にエネルギー効率が上がるとは思えないので、エネルギーコストの上昇が消費を抑制したのだろう。
同じく今日の報道で、ロシア・サハリン沖の資源開発事業「サハリン2」がやっと本格稼働への最終段階に入り、LNG製造プラントやパイプラインの建設がほぼ完了して来年1〜2月にはLNGの対日輸出が始まるようだ。LNG生産量は年間約960万トン。全量の約6割が日本に輸出される。日本は今後ガス需要の8%前後をサハリン2に依存することになる。この計画もロシア政府の横やりでガスプロムが株式の50%プラス1株を保有することになり、ロシアの政策次第では供給の安定性に心配がないではない。しかし、極東の開発に大きな貢献が見込まれるプロジェクトであるだけに、政治的に脅されることはあるかもしれないが、長期的には日本のエネルギー輸入が攪乱を受けることはあるまい。炭酸ガスの排出が化石燃料としては少ないし、高効率のコンバインドサイクル発電に使われるだろうから、石炭の使用を増やすよりも温暖化対策として有効であることは確かだ。炭酸ガスの排出を削減するには地道な努力の積み重ねが必要で、原発頼みより相対的に炭酸ガスの少ない燃料に切り替える方が早道かもしれない。