効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

合板市場の変化

海外から丸太を輸入して合板に加工する国内合板製造の大手が事業を諦めました。木材の輸出国が、素材の輸出ではなくて、少しでも付加価値を付けるために合板に加工して輸出する方針に転換した結果ですし、また、その海外生産の合板価格の方が安いために競争力を失ったからです。一方で、日本では建設業の不振から需要自体が減退しているのに、中東などの建設向けの合板需要は上昇し、合板の国際価格は上昇し始めています。日本が要求する品質への対応を嫌う海外メーカーは、日本以外の国への輸出を優先するとも報じられています。こうなると、エネルギー資源だけでなく、建設資材として不可欠の合板も全量海外依存になってしまい、高価格化もそのまま受け入れざるを得なくなったのです。
これが日本の林業を復活させる要因になるでしょうか。もしなるとしても長い時間がかかるでしょう。丸太の切り出し、製材、集荷、乾燥など、合板向けのインフラが、いままで原木輸入依存が長く続いたために無くなっているからです。しかし、合板の国際価格の上昇が今後も続くとすると、国内材で合板を加工する事業が育つ可能性はあります。おそらくそれは、輸入材の加工事業とは形態が異なって、地域単位にまとまった比較的小規模なものとなるように思えます。これが育つためには、木材品質の地域差を克服して一定品質の合板を製造する技術開発が必要でしょう。地球温暖化対応だけでなく、海外の森林保護の見地から木材輸入を減らすのは必然ですし、それを契機にして国内林業の回復に向けた動きが加速されれば、国内にある森林の炭酸ガス吸収量を押し上げることにも繋がります。これを好機として適切な支援施策が打ち出されてほしいものです。
昨日は英国からやってきた友人が始めようとしている事業支援のために同行して大阪と京都へ行きました。彼は英国の大学が特異とする基礎技術の研究情報を日本に伝え、日本の企業がそれを使って商品化に動くことを期待して、英国の技術情報を年4回20ページほどのレポートにしてインターネットベースで提供しようとしているのです。勿論有料で、まだネット上では検索できない新しい情報ですから、年間25万円を想定してます。元の情報は英語です。しかし、それでは、なかなか読んで貰えないので日本語化するのを私が依頼されてやっています。技術用語が多くて大変ですが、内容は面白くて楽しんでいます。ほとんどボランティアに近いものですが、早く本格的ビジネスに育ってほしいものです。