効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

木質構造の家の耐震性など

一昨日のページにdaiさんがコメントを下さいました。木質フレームの構造でも柱を集成材にして金物で補強すれば、構造計算で強度計算ができて、阪神淡路大震災でもびくともしなかったそうです。集成材は一定強度以上になるように作れますからこれは可能なのですが、柱が無垢の木でできた日本家屋にこだわるとすれば、耐震性ということから見ると必ずしも安心できないということでしょう。ただ震度6とか7の地震に遭遇する確率を考えると、結局自分のこだわりをどこに置くかで決まるような気もします。
鉄骨構造の住宅メーカーも内装部分は木を使っているのですが、いままではコスト比較すると外材の方が安かったのでそちらを選択してきたのです。しかし、その価格差はほとんどなくなっているという報道もあります。だとすれば国産材を使ってほしいのですが、いままでの林業の衰退のために良質の木が育っているところが少なくなっているのが問題です。また、木を切り出しても、山から製材所にまで運ぶ林道の整備がなされていないために、運び出すのに手間がかかるところが多いのだと聞きます。
良い木を育てるためには間伐が必要だとよくいわれます。農水省補助金で間伐をするコストが賄える部分はあるのですが、切った間伐材を運び出せないためにそのまま山に放置することになっているのです。そして放置された木は結局腐ってしまって、せっかく木が生長するときに大気中から吸収して固定した炭素分は炭酸ガスとして大気中に放散されてしまいます。放置されずに利用されれば、何かに使われている間は大気中か炭酸ガスを固定することになるのです。最後に燃料として使われるとしても、有効利用されたことになります。
バイオマスをエネルギーに利用するということも、バイオマス原料をどのように集めて運ぶかが重要な課題になります。木質系のものだけでなく、食品系のものや畜産系のものも、必ず集める、運ぶに問題が出てきます。この間の見学会では、奈良コープがお店の廃油を集めてバイオディーゼルに作り替えて軽油に代替して使っているのを説明して貰いました。燃費は軽油とほとんど変わりないというデータが出ていました。バイオディーゼルには税金がかからないので、最近の軽油価格が上昇の結果コスト的にも引きあう位になっているようです。それに加えてカーボンニュートラルですから、もっと普及させたいのでしょうが、たとえば、お客さんが天ぷら廃油を持ち込むのを受け入れることは法律違反になるのでできないそうです。規制のあり方も検討課題になります。
奈良コープで使っているバイオディーゼルの量は、送り出している廃油からできるバイオディーゼルの量より少ないそうです。残りは他の所で使われているのですから、環境に対する貢献は地域への広がりを見せていると言えるでしょう。