効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

再度電気自動車

昨日の日記にコメントをいただきました。
「電気自動車でいつも思うことなのですがー何故急速充電にこだわるのか、もしバッテリーが今よりも小さくなれば手早く交換ーという方法もあるのでは?
自宅ではゆっくりと充電完了の予備バッテリーを備えておけばーーと そしてガソリンスタンドのようにバッテリースタンドを設け、即交換して充電と交換手間賃を払えばすむのではーと これは未だ無理なことなのでしょうか?」
これは私もずっと考えていたことです。将来はそのようにすることは可能かもしれません。ただ、現在はまだ標準的な特性を持つバッテリーができていないし、バッテリーの形やサイズも開発途上で標準化ができていません。普通の自動車用鉛バッテリーは標準化されていますが、簡単に取り替えできるようにはなっていません。長期間取り付けたままで走るからです。リチウムイオンバッテリーについても、自動車を駆動するバッテリーの性能標準化がまず進み、その後に、取り替え方式を考えるとすれば、安全に簡単に取り替えができるようなデザインに統一するという道筋を踏まなくてはなりません。それを推進するとすれば、取り替えるバッテリーが古くなっていて長持ちしなかったら誰の責任になるかも明確にしておかないといけないでしょう。乗用車用、トラック用、軽乗用車用など幾つも標準ができると、それを在庫しておくコストも大きいかもしれません。
水素吸蔵合金でできた水素ボンベを使う燃料電池駆動の車椅子で、予め水素を一杯にしたカートリッジを取り替えることによって、基地に帰るとすぐに入れ替えて走り出せるようになっているのを見たことがあります。この場合、このデザインに他のメーカーが同意すればいいですが、開発途上のものについてはすぐに統一ということにはならないでしょう。
だとすれば急速充電の標準化ができれば、それにバッテリーの特性を合わせる方が早道でしょう。バッテリーの特性に合わせて充電速度を変えるのも、充電設備側で行うのは難しくないはずです。その意味で東京電力が高速充電基地を地域に作ると言うことは、電力会社の望む形の充電方式が普及するということになります。また、バッテリーは日本だけが市場ではありませんから、もし東電の設備が使いやすければ、これが事実上の世界標準設備になることも考えられます。高速充電に対応するバッテリーの特性もこれに対応するように改善されるでしょう。
もし高速充電をすると、通常充電よりもバッテリーの劣化がはるかに激しく、その改善の技術開発が行き詰まれば、時間をかけた充電方式が普及し、バッテリーパックの取り替えステーションが検討されるかもしれません。しかし、高速充電での劣化はかなり防止できそうですから、充電基地で高速充電方式の方向に行くのではないのでしょうか。ただし、自宅や業務基地ではゆっくり充電が推奨されるでしょう。