効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

昨日述べたリンについて

昨日日本に入るリン鉱石の輸入がしにくくなっていて、価格も上がっていると書いた。ある島全体が海鳥の糞が堆積してできていて、それが世界のリン鉱石の主な供給源だと聞いたことがあるが、これは今ではほとんど取り尽くされているらしい。やはり鳥の排泄物や死骸が堆積したものが米国やモロッコ、ヨルダンなどにあって、それが世界で使われているそうだ。石油と同じことで、人類の計り知れない昔からの自然現象の中で作られた資源を、短時間の間に消費しているわけで、すべて自分の首を絞めているのだということをもっと早く気づかなければならなかったのだが。母なる地球というように、すべてを許してくれる無限の包容力を持つ地球だと信じていたものが、有限であったと気づいたときには遅すぎたということだろう。
新聞報道によれば、このリン不足を少しでも解消できるものとして、岐阜市が下水汚泥焼却灰からリン酸を低コストで回収し、肥料原料のリン酸塩にする技術を開発したと言うことだ。来年夏からリン酸塩を年間500トン生産する計画で、2千万円程度の売り上げになると計画されているから、市の財政にも良い影響を与えるだろう。リン酸塩を取り出した後に残る処理灰はセメント原料に使えるそうだから、これも商品として売れる。
この回収プラントは国庫補助を受けているからコストが合うのだろうが、これが全国の下水汚泥設備で行われるとなると国の補助も難しくなるだろう。下水汚泥をメタン発酵させてエネルギーとして使えるが、それでも後に残るものがあって、それにはリン成分が凝縮されているはずだ。このようなプロセスを効率よく働かせるためには、下水にも変なものを流さないように市民や企業が気をつけないと、せっかくの循環システムがうまく回らなくなる。