効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

割り箸論議

奈良県川上村宮の平にある「森と水の源流館」は、外袋に利用促進のメッセージを書き入れた割り箸12,000膳を作り、同館や大淀町芦原の「道の駅吉野路iセンター」などで配布しているそうだ。森を守る間伐の促進へ、国産の割り箸利用を広げようとする行動の一つなのだ。地元の奈良新聞がこの記事を書いている。吉野は優れた杉やヒノキの産地だが、間伐ができていないために材木自体の品質維持も難しくなっているようだ。村内で製作されたヒノキ製の箸を使ったアド(バタイズメント)バシで、販売促進していると記事は紹介している。
いままで中国製の割り箸に値段で押されていたが、中国政府の方針で森林保護のために割り箸製造を制限するようになって価格が上がり、国産のものも対抗できるようになったことも関係しているのだろう。この記事にも書いてあるように、木を切らないことが自然保護と誤解されがちだが、それは原生林について言えることであって、国内の人工林は適切に間引き(間伐)しないともともと商品として売ることを前提に植林されている木が十分に育たなくなってしまう。ということは炭酸ガスを吸収する量も減ってしまう。林業従事者の高齢化もあるし、外材に価格で負けたりして、いままで山は荒れていたが、材木の輸入市場が変化する中で国産材への見直しも始まっている。
間伐を促進するのには大賛成だが、間伐材とはいえ割り箸にするのだけでは割り切れなさが残る。割り箸は使い捨てを前提にしているから、一度使うと必ずゴミになる。その処理にまたエネルギーが必要となるケースが多い。割り箸だけ集めて炭化するなどして何か使えそうなものにして再使用できないかしら。あるいは、箸以外のものに利用できるように、食事に使って汚した部分だけ割って捨てて、残りの部分を何か別に使えるようなものにする工夫はできないかしら。食事の時箸は端だけしか使わないのが普通だから。
肝腎なのは、間伐材で価値の高い物を作り出す知恵が必要だということだ。ゴミ処理量を増やすのは避けたい。