効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ニュー「しらせ」

この間最後の航海を終えた南極観測船「しらせ」のことを書いたが、16日に、この船の後継船となる観測船がユニバーサル造船舞鶴事業所で進水した。そして、船名は先輩を引き継いで同じ「しらせ」になっている。積載量を1000トン近く増やしたほか、燃費性能を向上させているとのこと。20年前の船との比較だから燃費が良くなるのは当然だろう。12,500トン、全長138メートル、幅28メートル、深さは15,9メートルと報じられている。その他に、船内で出るゴミや廃棄物を処理する装置も搭載し、廃棄物を外に出さない「エコシップ」を目指しているとのこと。
効率化や環境の論調が多い中で、船舶についてはあまり出てこない。地域環境の面では次のようなことがある。積載重量が変わると船のバランスが崩れるため、海水を取り入れる。バラストと言われるが、ある港で海水を取り入れて、次の停泊地で積み荷が多くなるとバラスト水を放出する。この水の中に前の停泊地の港にいた微生物や小魚が入っていれば、その海域の生物相に影響を与える可能性もある。そのため、この水を予め浄化してから排水するように規制されるようになったと聞いている。そしてこれは新しいビジネスになっている。
また、船舶のエンジンはほとんどがディーゼルだが、洋上がほとんどなので排気ガスの規制も陸上のエンジンに比べて規制は緩いはずだ。このエンジンが、港に停泊中も電気が必要なために作動する。それは港の大気を汚染することになる。航海中のエンジンの排熱を利用して発電してバッテリーに貯めておいて、停泊中はこの貯めた電気を使う実験が行われ成功したと聞いた。この排熱利用発電はスターリンエンジンで行われている。
遠洋航海している船のエネルギー効率や汚染削減については、まだ残されていることが多いのだろう。