効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

植物繊維が重要かも

植物の繊維は丈夫にできている。だから、バイオエタノールのようなものに変化させようとしても、トウモロコシのような繊維のないものに比べるとはるかに難しいし、化学工業的に考えれば大きなエネルギーが必要になる。しかし、この繊維を日本が歴史的に得意としている酵母のような微生物の力を利用してやれば、数十度の温度内で短く分解してやることができるかもしれない。この技術が開発されなければ、日本が液状のバイオ燃料を大量に作り出すのは非常に難しいだろう。日本の樹木の利用は、現時点では燃やすことに利用するしかないからだ。樹木の繊維を好んで食べる虫もいる。この虫の消化器にはまず間違いなく繊維を分解するバクテリアが住んでいるはずだ。誰かこれを大量に培養して樹木の繊維を溶かすプロセスを開発できないかしら。
一方では、植物繊維の丈夫さを利用して画期的な樹脂材料を作ろうとする研究が京都大学で行われているそうだ。鋼鉄並みの強さがある素材がすでにできているという。太さ数十ナノメートルの植物繊維をかためたもので、繊維の方向をうまく揃えると、曲げにも強い板ができるようだ。和紙が丈夫なのも長い植物繊維をうまく絡め合わせているからだが、その破れにくさを補強する樹脂との組み合わせを見つけられれば、画期的なほど軽くて強い素材ができるという。
これが成功すれば、地下資源を多量に消費することのない社会が生まれるだろう。工業社会からの脱却になるかも知れない。それこそ太陽エネルギーをフルに利用できる社会が生まれることになる。