効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

SOFCとパロマ

私が窓口をしているヨーロッパのエネルギー市場リサーチ会社からのレポートを読んでいると、固体酸化物電解質燃料電池SOFC)の開発をしているオーストラリアのセラミック・フューエルセル社(CFCL)が、日本のガス機器メーカーであるパロマ社と製品開発について契約したというニュースがあった。これはCFCLが1月17日にプレス発表したものという。その狙いは、CFCLが開発した1kWサイズのSOFCの発電ユニットをパロマの給湯部分と結合させて製品として完成させ、2007年度から始まったNEFのSOFC実証試験に参加しようとするものと考えられる。おそらく共同出資の日本法人を設定し、1kW 級固体高分子電解質燃料電池について、バラード社が荏原製作所と組んで日本法人を作って大規模実証試験に参加しているのと同じ形をとるのだろう。
それが順調に行くかどうかは、日本の電気製品の規格に適合した発電ユニットを提供してパロマがうまく認証を早く手に入れることができるかどうかにかかっているように思える。1kW級のSOFCを家庭に据え付けて系統連系することは、すでに発電設備として認容されているが、それ以外に電気製品としての安全規格など、オーストラリアでは予想もしていなかった規制があるかもしれない。また、その製品が日本で認定されるのに少なくとも1年はかかるから、SOFCの実証試験に2年以上の遅れで参加することになる。ぜひ良い製品を提供して、日本のSOFCユニットとして政府の補助を受けられるようになって、日本市場に良い意味の競争をもたらす原動力になってほしいものだ。
市場への浸透のためには、都市ガスや石油会社の販売チャネルも利用しなくては将来市場をつかむことはできないと思うが、CFCLはパロマの販路に頼るつもりのようだ。これは日本の給湯器市場販売ルートに関する認識が足らないのではないかと思える。
いずれにしろ、それは日本側の受け入れ先が考えるだろうから、まず早く日本の製品だと認定して貰えるものを出してほしい。