効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

製鉄燃料にバイオコークス

快晴の日曜日。10時前にテニスコートへでかけて今年の初プレー。昨晩はかなりの冷え込みだったが、日頃ニガリを入れたりしてメンテを十分してあるからだろう、コートは凍結していなかった。10人ほどのメンバーが来ていたが、新年の挨拶だけがいつもと違うだけで、楽しく練習と試合に入る。2試合して帰宅したらちょうど正午。シャワーを浴びてから地元紙である奈良新聞を読んでいたら「茶かすが製鉄燃料に」という記事が出ていた。近畿大学が茶かすやコーヒー滓を原料にした新しい製鉄燃料「バイオコークス」をこの3月から本格的に製造を始めるそうだ。
製鉄用には通常石炭を乾留(蒸し焼き)して製造するコークスをつかう。それも堅さや灰分など規格も厳しい。今回記事に紹介されているバイオコークスは、飲料メーカーがお茶やコーヒー飲料を作った後に残る植物性廃棄物を粉砕して圧縮し、乾留したものだ。石炭コークスとバイオコークスを8対2の割合で使っても溶鉱炉で支障がないらしい。コークスは鋳物製造などにも使われるから、安定した品質のバイオコークスが製造できれば、バイオニュートラルな燃料として工業用に広く使われる可能性がある。ジャガイモの皮など北海道に多い原料も試すそうだ。この技術を開発した近畿大学理工学部の井田講師によると、コストも石炭より安くできるし、有害な硫黄酸化物も出ないという。木質系だから硫黄分はないはずだ。飲料業界は廃棄物処理費用を払っているはずだから、それをコストダウンの原資にできるだろう。
石炭火力発電所で木質チップを混焼する実験が電力業界で行われているが、その混焼比率は3%だし、チップ原料に一度利用された木材を使用する比率は極めて低いはずだから、今回の記事のとおりだとすると、廃棄物を使った燃料としては画期的なことになる。2010年に実用化の予定だそうだが今後の技術確立と商品化に期待したい。